2020年07月07日

吉井勇の歌碑(雪降らば ゆかむと君にちかひたる・・・)


吉井勇という歌人をご存知でしょうか?

新潟市の名誉市民である会津八一などと親交があり、
歌人・脚本家・文学者として生きた方です。

その歌人「吉井勇の歌碑」が大川端の「料亭 生粋」の庭に建てられていました。

「雪降らば ゆかむと君にちかひたる その新潟に雪降るという」


「新潟ゆかりの文人たち」(谷川敏郎 著)によると、吉井勇は昭和29年にl料亭生粋で会津八一
と会っていて、この歌は、生粋の主人、下田為吉の再訪の誘いに対して送った歌だそうです。
その後に「吉井勇」が新潟を再訪したかは定かではありません。
有名歌人であった吉井から贈られた歌を料亭生粋主人「下田為吉」は
意気に感じ石碑にしたのだと思われます。

料亭生粋はお料理と新潟芸者さんのおもてなしを売りにするお店でした。
主人の為吉は料亭経営の才と文才に富み、文人会津八一等との親交がありました。
たくさんの文化人が生粋を訪れ新潟芸者等と遊んだことと思います。
為吉はその場に立ち会い、色々な料亭らしい場面に即したことでしょう。
吉井勇に「また新潟に来てください」という手紙を送っても不思議ではないです。
それに対して吉井勇は「また来なせや」という美人新潟芸者の言葉を心に留めながら帰郷し
その時の思いを歌にしたのでしょう。
「うつくしい新潟の芸伎さんよ、雪がふる頃にまた新潟に来るよ。と約束をしたよね。
その新潟に雪が降り始めたと聞こえてきたよ、今この身はすぐに新潟には行けないが
心は貴女(芸妓さん)の思いと同じですよ・・・・」
というのを詠んだのでしょう。

その料亭「生粋」が廃業して現在取り壊しが進んでいます。

越後OJIJIはこの歌碑が気になって解体工事中の「生粋」の写真を撮らせてもらいました。

こんな歌碑が建っていました。建っていたはずなのです。



「料亭生粋 離連」の外観です。きれいな外塀が素敵でした。



現在解体工事が続いています。


この料亭の庭にはたくさんの石・石像・石碑・歌碑などが設置されていました。


壊されていく様子をみるともの悲しくなります。。。。


生粋にあった「吉井勇の歌碑」見つけることができませんでした。
まさかまさか!!!と思いますが、この歌碑も重機で壊されたのかもしれません。

新潟市の大切な文化財がこんな形で崩壊したのなら由々しきことです。
まさか新潟市の行政や文化人はこの大切な宝を見捨てたのでは無いでしょうね?!!

どなたか料亭生粋に建てられていた「吉井勇」の歌碑が移転されて建てられていることを
ご存知の方はいないでしょうか? 
新潟市民の大切な文化的財産が存在していることを確認したいのです。

もしです。もしです。もしもです。
このように料亭が廃業して解体されるごとに新潟の文化財が失われていくのなら大変です。

料亭生粋。料亭小三。など新潟の三業を支えた料理店が廃業しています。
現在新潟市で営業している料亭は「行形亭」と「鍋茶屋」だけです。
この料亭とていつまで存続するかは疑問です。その店にはたくさんの文化財を抱えています。
廃業するたびに文化財がなくなるのなら「歴史的犯罪」だと思います。

そんなことの無いように市民である私達が充分に気に留めておくことが大切ですね。

えちごおやじ 越後OYAJI 越後おやじ 越後親爺 エチゴオヤジ ECHIGO OYAJI  えちごOYAJI 

  

Posted by 越後OYAJI at 14:56Comments(0)